会社設立支援

2006年5月1日から新会社法の施行に伴い、今までよりも株式会社を作りやすくなりました。具体的には、

    最低資本金規制が撤廃されたことにより、資本金1円から会社を設立することが可能となったこと。
    銀行の払込金保管証明書が不要になったことにより、引受銀行を探す手間がなくなったこと、手続費用がなくなったこと。
    機関設計の選択肢が増えたことにより、監査役なし、取締役1人の会社が設立できるようになったこと。

があげられます。

会社設立から開業までの流れ

    1.基本事項の検討
    2.はんこの発注
    3.定款の作成
    4.定款の認証
    5.出資金の払込
    6.議事録等の作成
    7.登記申請
    8.登記簿謄本と印鑑証明書の取得
    9.税務署、都道府県税事務所、市区町村役場への届出
    10.社会保険事務所への届出
    11.労働基準監督署への届出
    12.公共職業安定所(ハローワーク)への届出

1.基本事項の検討

(1)商号(会社名)の決定

改正前では類似商号の規制がありましたが、新会社法では撤廃されました。しかしながら、不正競争防止法は存在する為、著名な商号を類似させることや、不正目的の商号使用などは禁止されています。したがって、予定している本店所在地の所轄の法務局に類似商号調査に行くことをお勧めいたします。また、文字の使用制限についても緩和され、記号やアルファベット、アラビア数字も使用できます。

(2)事業目的の検討

会社の憲法に相当する定款には、会社の目的を記載しなければなりません。会社の目的を決定するにあたり、適法性、営利性、具体性、明確性が求められております。

    適法性:法律に反することを目的にしてはいけない。
    営利性:営利性のない目的を記載してはいけない。
    具体性:第三者が見て具体性のある目的にする。
    明確性:第三者がみて容易にわかる目的にする。

また、目的は何項目あっても、関連性がなくともかまいませんが、実現性のない目的を記載することはあまり好まれません。目安としては、すぐにできる事業内容と近い将来(1年ぐらいで実現)やりたい事業を記載すればよいでしょう。

実際には、所轄の法務局に類似商号調査とともに、会社の目的についても相談することをお勧めいたします。

目的検索サイトを利用して、過去に登記官の審査を通過した目的を検索することができます。

加えて、許認可または免許が必要な業種かどうかも確認しておく必要があります。

(3)本店所在地の検討

本店所在地には、@東京都大田区のような最小行政区のみを記載する方法とA具体的な町名、番地、号まで記載する方法があります。 @の場合には、同じ市区町村内で移転した場合、定款の変更は不要となりますが、 Aの場合には、定款の変更が必要となり、株主総会を開く必要があり面倒であるのと、定款変更に費用がかかってしまいます。したがって、@をお勧めいたします。

(4)資本金の検討

新会社法では、最低資本金規制が撤廃されたので、資本金1円から設立することができます。しかしながら、資本金1円では会社を運営していくための事務所代、水道光熱費、電気代、通信費等もまかなうことが難しくなり、役員報酬や給与が支払えなくなります。(すぐに上記を上回る売上入金、借入れがなどができれば別ですが・・・。)したがって、売上入金が安定しない3ヶ月から半年ぐらいの仕入代金、諸経費、人件費をまかなえるだけの資本金は必要であると考えたほうがよいと思います。

また、資本金は税制面から考えると多ければ多いほどよいということでもありません。例えば、資本金が1,000万円以上で設立すると初年度から消費税の納税義務を負うことになります。

また、資本金が1億円以上の場合には、交際費が全額損金不算入となり、税金を多く納税しなければならない場合があります。

(5)株主の募集

株主の募集には、会社の設立準備、手続を行う発起人のみから出資金を募る発起設立と、発起人以外の人からも出資金を募る募集設立の2通りとなります。後者の募集設立は手続が煩雑となる為、一般的にはほとんど選択されないので、以下では発起設立について説明します。

発起人となる資格は、特に制限がなく、未成年でも親権者の同意が得られれば発起人となることができます。また、発起人は1人でも認められています。

発起人は、必ず最低1株以上の株式を引き受けなければならないので、会社設立後には必ず株主となります。

(6)機関設計の検討

新会社法では、会社の規模、実態に即して機関設計の選択肢が広がりました。新会社法では、代表取締役、取締役、監査役、会計参与、会計監査人が定められておりますが、公開会社であるかどうか、大会社であるかどうか、取締役会を置くかどうかで、その構成を変えることができます。

    商法上の公開会社

公開会社とは、株式市場への上場をしているというような株式公開をしている会社ではなく、「その発行する全部又は一部の株式の内容 として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社(会社法案2条5号)」のことで、いわゆる株式譲渡制限会社ではなく、株式の自由譲渡が可能な会社のことをいいます。

    商法上の大会社

商法上の大会社とは、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社のことをいいます。

以下で、未公開株式会社で中小企業の考えられる機関設計の組み合わせを例示いたします。なお、会計参与は任意設置機関です。

未公開株式会社・中小企業の考えられる機関設計

    株主総会+取締役+(会計参与)
    株主総会+取締役+監査役+(会計参与)
    株主総会+取締役+監査役+会計監査人+(会計参与)
    株主総会+取締役会+会計参与
    株主総会+取締役会+監査役+(会計参与)
    株主総会+取締役会+監査役+会計監査人+(会計参与)
    株主総会+取締役会+監査役会+会計監査人+(会計参与)
    株主総会+取締役会+委員会+会計監査人+(会計参与)

(7)事業年度の検討

事業年度とは、会社の決算にあたって対象となる年度を区切った期間のことをいい、1年以下で事業年度を区切って設定します。

一般的に4月〜3月、1月〜12月に設定することが多いですが、上場会社のように総会屋対策などが不要の場合には、特に事業年度を気にする必要はありません。

3月決算、12月決算は、決算が集中するため会計事務所にお願いする場合、時間に追われきめ細かな対応が難しくなる場合が多いようです。

また、取引先が大手の場合には、その時期にあわせて駆け込み取引、残高確認や在庫調整などを行うことが多く避けたほうが無難かもしれません。

2.はんこの発注

類似商号調査、事業の目的を本店所在地を所轄する法務局で確認が取れたら、はんこを発注することになります。

会社設立に必要なはんこは、代表印のみでokですが、通常一緒に角印、銀行印、アドレス印(ゴム印)を作ることが多いようです。

特にこだわりがないようでしたら、インターネットで簡単に発注することができ、2、3日で納品してくれるところが増えてきています。

3.定款の作成

定款は会社の在り方及びその活動の基本を定め、会社の株主、役員等関係者を規律する重要な自治規範で、基本的なルールを定めた会社の憲法といわれています。

定款には、@必ず記載しなければならない絶対的記載事項、A記載しなくてもよいが、記載しないとその法的効力が生じない相対的記載事項、B記載するかしないかを会社が自由に決められる任意的記載事項を記載します。

定款の作成は、発起人が作成するのが一番よいのですが、その内容が法律用語を使うことや、記載内容の選択肢が広がったことにより、専門知識が必要となりますので、行政書士、司法書士に依頼したほうが間違いが少なく、意図した定款を作成することができます。

また、定款の電子認証を行える事務所に依頼することによって、認証時に必要な4万円の収入印紙代がかからなくなります。

最近は、インターネットで簡単に申し込むことができ、かつ、事務所に支払う報酬も5万円前後で受けてもらえる事務所も増えてきていますので、手間と時間を考えると、依頼してしまったほうが、ビジネスモデルの構想、事業計画、営業に時間をとることができ、結果として安いと感じることが多いようです。

4.定款の認証

定款の作成が終わったら、公証人役場に行って公証人の認証を受ける必要があります。定款の認証を受ける為には、定款3通、発起人全員の印鑑証明書各1通、収入印紙4万円、公証人への認証手数料として5万円+謄本交付手数料1,500円程度が必要になります。

ここで、定款の電子認証が行える行政書士、司法書士事務所にお願いすると収入印紙4万円が不要となります。その場合、定款認証のための委任状が必要になります。

5.出資金の払込

定款認証が済んだら、出資金を金融機関に払い込みます。この時点ではまだ会社の口座を作ることができませんので、一般的には発起人代表者名義の口座に、定款で発起人に定めた出資金額を振込んでもらいます。このとき、必ず振込名と定款記載の発起人名が一致するように振込みます。

次に、払込証明書を作成し、振込んだ金額が記載してある預金通帳のコピーを用意します。旧商法では、出資払込金保管証明書を金融機関に発行してもらう必要があり、審査や発行に時間がかかるとともに、手数料がかかりました。

6.議事録等の作成

登記申請に必要な下記の議事録等を作成します。

    就任承諾書
    取締役会議事録
    調査書

7.登記申請

下記の書類を用意して法務局へ登記申請します。会社保存用とあわせて2部作成します。登記申請日が会社の設立日となります。

    株式会社設立登記申請書
    登記用紙と同一の用紙
    登録免許税納付台紙
    定款
    印鑑届書
    調査書
    就任承諾書
    発起人会議事録
    取締役の印鑑証明書
    取締役会議事録
    委任状

8.登記簿謄本と印鑑証明書の取得

登記の完了の報告を受けたら、登記簿謄本と印鑑証明書を取得しましょう。登記簿謄本は、銀行口座開設の際や税務署等へ会社設立届を届け出る際に必要となってきますので5通以上は取得しておいたほうがよいでしょう。

印鑑証明書も同様にさまざまな届出で必要となりますので5通程度は取得しておきましょう。

9.税務署、都道府県税事務所、市区町村役場への届出

    税務署への届出・提出物
    法人設立届出書

法人設立日から2ヶ月以内に提出しなければなりません。

法人設立届出書のフォーマットはこちら

    青色申告の承認申請書

会社成立後3ヶ月を経過した日と設立事業年度の末日のいづれか早いほうの前日までに提出しなければなりません。非常に重要な申請書ですので忘れずに申請してください。

青色申告の承認申請書のフォーマットはこちら

    棚卸資産の評価方法の届出書

会社設立年度の確定申告書の提出期限までに提出しなければなりませんが、通常法人設立届出書と一緒に届け出ます。

棚卸資産の評価方法の届出書のフォーマットはこちら

    減価償却資産の償却方法の届出書

会社設立年度の確定申告書の提出期限までに提出しなければなりませんが、通常法人設立届出書と一緒に届け出ます。

減価償却資産の償却方法の届出書のフォーマットはこちら

    給与支払事務所等の開設届出書

法人設立日から1ヶ月以内に提出しなければなりません。

給与支払事務所等の開設届出書のフォーマットはこちら

    源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

特例を受けようとする月の前月末日までに提出しなければなりません。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書のフォーマットはこちら

    定款の写し
    登記簿謄本または登記全部事項証明書
    法人設立時の事業概況書
    都道府県税事務所・市区町村役場への届出・提出物
    事業開始届出書

原則として、会社設立日から1ヶ月以内に提出しなければならない。東京23区の場合は、事業開始の日から15日以内に提出しなければならない。

10.社会保険事務所への届出

社会保険の加入は全ての会社に原則として義務づけられています。加入手続きは、本店所在地を管轄する社会保険事務所で行います。

会社設立日から5日以内に提出しなければなりません。提出書類は以下のとおりです。

    健康保険・厚生年金保険新規適用届(その1)
    新規適用事業所現況書(その2)
    健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
    健康保険被扶養者(異動)届

11.労働基準監督署への届出

従業員を1人でも雇い入れる場合には、労働保険の適用事業所となります。加入手続きは、本店所在地を管轄する労働基準監督署で行います。

労働保険には、労災保険と雇用保険の2種類があります。

    適用事業報告

従業員採用後遅滞なく提出しなければなりません。

    就業規則届

10人以上の従業員を使用する場合、遅滞なく提出しなければなりません。

    労働保険保険関係成立届

労働保険関係が成立した日の翌日から10日以内に提出しなければなりません。

    時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)

時間外労働・休日労働をさせる場合速やかに提出しなければなりません。

12.公共職業安定所(ハローワーク)への届出

労働基準監督署での手続が済んだ後、従業員を雇い入れた日から10日以内に「労働保険保険関係成立届(控え)」とともに、下記の届出をしなければなりません。

    雇用保険適用事業所設置届
    雇用保険被保険者資格取得届

助成金・融資の検討

国が中小企業政策の一環としてさまざまな助成金・融資を行っており、創業時に検討すべきと思われるものを紹介します。

    新創業融資制度

事業計画の的確性が認められれば、無担保、無保証人(法人の場合、代表者の保証も不要)で融資を受けることができます。

    中小企業基盤人材確保助成金

創業・異業種進出に伴って経営基盤の強化に資する人材を雇用保険の一般被保険者として雇い入れた場合に助成を受けることができます。

経営基盤強化に資する人材1人当り140万円(最大5人)

創業・異業種進出を始めて6ヶ月以内に雇用管理に関する改善計画を作成し、都道府県知事に提出

経理制度構築

会社を短期的に大きくしていくためには、会社の状況(財政状態と経営成績)を迅速に把握し、的確な経営意思決定をしていかなければなりません。そのためには、経理制度を構築する必要が出てきます。以下に構築にあたり最低限必要な項目をあげます。

    経理規程
    経理業務フロー
    経理業務マニュアル
    経理ソフト
    経理業務研修

給与計算制度構築

会社を短期的に大きくしていくためには、従業員の信頼を確保する必要があり、労働の対価としての給与がその一つの重要な要素になってきます。以下に給与計算にあたり最低限必要な項目をあげます。

    就業規則
    賃金規程
    給与計算業務フロー
    給与計算業務マニュアル
    給与計算ソフト
    給与計算業務研修

上記の内容に関して、株式会社マネジメントソリューションは、貴社(あなた)へのご支援をいたします。必要に応じて、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士などとの連携を図って支援することもございます。

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